FrSky Taranisに使われているOpenTXの2.0がリリースされました。ここ数ヶ月速いペースで開発、テストがされていたものです。
http://www.open-tx.org/
しばらく前から毎晩新しくコンパイルしたものが提供されていました。1ヶ月ほど前から毎週更新して試していましたが大きな問題も無く使えています。筆者にとってはオーディオバリオが満足できるレベルの音になったのがとてもうれしいです。
新しい6点ロータリースイッチやバイブレータのサポートなど新ハードウェアへの対応もありますし、グローバル変数の強化、増加され新機能が追加されたり、マクロ言語としてLUAスクリプトが搭載され、それで記述された設定用のWizardも用意されたようです。またブートローダが変更され、PC側にドライバが不要でファームウェアが更新できるようになりました。
新しいブートローダでは、ファームウェアを更新したり、モデルを読み書きしたりするためには送信機のラダーとエルロンのトリムを内側に押しながら電源を入れ、USBで接続します。今までPC環境によっては不具合があったドライバを使用せずにすむのでトラブルは減ると思われます。
何も操作せず送信機の電源を入れてUSBでPCに接続すると、なんとPCにはジョイスティックとして認識されます。PC用フライトシミュレータの
X-Planeとかもちゃんと使えます。スライダーの出力などはあまりスムーズではないですが、8chアナログ入力、8ボタンが認識されます。
今までのOpenTXで作成したモデルはある程度変換されます。カスタムファンクション(Special Functionと名前が変わりました。)回りは変更点が大きいため、変換されないものがあり、ここら辺をモデル設定で使っていると手作業で確認、変更が必要となります。
アップグレードするには、PC用のCompanionの新しいバージョンのものをダウンロードし、実行すれば新しいファームウェアをダウンロードでき、そのまま送信機を更新できます。その際にこのモデルの変換もされます。OpenTX 2.0のCompanionはプログラム名が変わっているので、以前のCompaion9Xと共存できます。
以前のものに戻すこともできますが、モデルの逆変換はされないので、モデルのバックアップを行ってから更新します。
追加マニュアルが用意されることになっていますが、まだ出来上がっていないようです。新しいLogical Switch (カスタムスイッチの名称が変わりました。)など見つけ出すのにちょっと苦労します。ベータの最中に'ONE'という一度だけ実行するSpecial Functionのスイッチが無くなったので以前のものが変換できませんでした。Bugとしてリクエストしたところ、ちゃんと実装されていました。
今のところ
このOpenTXフォーラムのスレッドと
この2.0のスレッドに一番情報があります。主な開発者であるbertrand35氏はこれにかかりきりだったようです。小額でも寄付することをお勧めします。(ちなみに日本からはPaypalの寄付支払いはブロックされています。PayPalからこの作者のメールアドレスに単なる支払いとして送金します。)
なお、Taranisはこれが3つ目のファームウェアとなります。元のOpenTXに加えてFrSky社は独自にテレメトリ周りを拡張したものを出しています。FrSky社のファームウェアはこの2.0にはならず不具合修正程度の変更のみになります。今回は各種送信機用のオープンソースファームウェアOpenTXの新しいものがリリースされたということになります。
OpenTX 2.0の改良されたオーディオバリオを生かすためにはFrSkyのバリオセンサーFVASはファームウェアを更新が推奨され、よりスムーズに音が鳴るようになります。初期のファームウェアでは上昇率のデータが荒く、また頻繁にデータが化けるのでこのファームウェア更新は必須です。また8ch受信機X8Rも新しいファームウェアが出ており、このテレメトリ関連も修正されているので同じく更新がいります。
これらの新しいS.Portのセンサー、受信機のファームウェア更新はS.Portから行えるので簡単です。FUC-3 (FrUSB-3) USBアダプタの4ピンシリアルポートから整流ダイオードを使ってTx, Rxをひとつにまとめるケーブルを作るだけです。3.3V FTDIアダプタなどでもこのFUC-3の代わりにできると思います。
詳しくは
このFrSkyのテレメトリをまとめたWikiのS.Port Sensor Firmware Upgradesの項に説明されています。FrSkyのテレメトリ関連の情報はこのページにすばらしく集約されています。