2015年12月22日火曜日

何でも飛ばしちゃうOpenAeroVTOL

XC 142をはじめ様々なVTOL機を多数製作しているRan D. St. Clair氏の新作を見てびっくり。
舵面のない円形翼のテイルシッターです。
OpenAeroVTOLを書き込んだKK2ボードを安定装置として4つのペラだけでとても安定して飛んでいます。飛行モードは3つあるようで離陸、中間の遷移と飛行モード。中間モードでは45度くらい上を向いて飛ぶようになっている。軽いせいもあるでしょうが、円形翼機としてとてもスムーズに遷移して広い速度域で飛んでいます。

ARFのVTOL機もいくつか出てきましたがスイッチで離着陸と飛行モードを切り替えるだけ、その間中間モードでゆっくり飛べないとVTOL面白くないと思うのです、OpenAeroVTOLにこの形なら理想に近そう?作って見たい。
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同氏は同じOpenAeroVTOLを使って’板’も飛ばしています。垂直安定版とかドラッグラダー無しで2つのペラの推力差だけでヨーを制御する。




かなり風があるときのフライトのようですがなんとか飛ばしています。

ちなみにRan氏は円形翼機のヒントをFlite TestチームPeter氏のこれに影響受けたとか。これはこれですごい。


2015年12月16日水曜日

米国FAAで250g以上のすべての機体の登録が義務付け

前回お知らせした米国FAAの無人航空機登録の義務付けの詳細が今月14日に発表されました。事前の予想を超えて厳しい内容で、250g以上の離陸重量の機体はすべて登録が必要というものになっています。

該当する機体を飛ばす人は12月21日から開始される登録Webあるいは文書にて氏名、メールアドレス、住所を登録し、発行される番号を機体に記入しないと飛ばすことができないとのことです。
該当する機体を持つ人は一度登録して発行される個人ごとの固有の番号を、飛ばす機体すべてに記入する。つまり機体というよりは操縦者の登録システムとなっています。

https://www.faa.gov/uas/registration/



詳細は200ページ以上もある文章なので読みきれていないですが、Q&Aの概略は以下のとおりです。
  • ドローン、ラジコン模型も、趣味用、自作機もすべて登録対象(フリーフライト機等は別)
  • 所有者名、メールアドレス、住所を登録する。
  • 登録によりナンバーが発行され、それを機体に明記する必要がある。
  • 屋外を飛ぶものは私有地であろうがすべて対象。
  • 今までに飛ばしていた機体もすべて対象。自作の機体もすべて対象
  • 飛行機の登録情報とは異なり、一般には登録情報は公開されない。FAAと法執行機関のみが利用できる。
  • 米国市民権を持つ人だけが登録できる。13歳以上だけが登録できる。
  • 趣味用途であれば機体の種類やスペックなどの入力は不要。(業務用は別途登録が必要)
  • 登録費用は一機につき一人につき$5(700円ほど)。3年ごとに更新が必要。
  • 登録内容はメールで通知。問い合わせがあった場合はそれを見せる必要がある。
10月にその意向が発表されていましたが、実際には容赦ない内容になっています。模型連盟であるAMAもこのシステム作成のタスクフォースとして協力していましたが、遺憾の意を発表しています。いろいろ疑問点があり、たとえば旅行者やFAIの大会などで米国に来た外国人や市民権を持たない駐在員などはどうやったら登録できるのかなどわかりません。

これで250g以下のジャンルが活発になると予想されます。日本国内は200gまでなのでその差が気になります。

2015年10月20日火曜日

米国運輸省で全無人航空機登録義務付けの動き

19日米国運輸省DOTは無人航空機の登録システムを年内に検討し開始すると発表しました。個人、趣味用に関係なくすべての無人機機体を登録するということ。

DOT website screenshot.

発表会見のビデオです。
https://youtu.be/ohkIMnImhE8?t=9m44s

今年のクリスマス商戦までのとても速いペースで実施との意向です。機体を登録することにより、操縦者を特定できるようにすることが目的と強調されています。

会見で後ろに並んでいるのは関係団体の各代表。模型飛行機団体であるAMAの会長もおり、無人航空機連盟(AUVSI)の代表の次の2番目に賛同を述べていました。

今のところ米国FAAの航空法では業務用飛行とそれ以外が区別され、業務用はルールが整うまですべて禁止、必要な場合は例外申請をするとなっています。今回のこの機体登録はそれとは関係なく操縦者の規制を行ったりするものではないようです。あくまで登録であり、審査に基づいて許可ということではないようです。(機体に自分の名前を書いておくのと同じレベル?)
ラジコン模型もすべてが対象かどうかははっきり述べておられず、何らかの基準が作成されるようではあります。とはいえ、登録内容、手間・難しさなど不明点が多くあります。

日本にも波及してきそうな気がとてもします。国内ではAMAや英国のBFAのようなラジコン模型の団体さえ存在しないので無茶な話になりそうで心配であります。(現状の航空法施行規則のパブリックヒアリングを見ても、例外申請には図面か複数の写真の添付など手間を増やすだけのものが多く見られます。)

ちなみにこの会見では、記者からの質問が既存のFAAの規制との違い、ホビーユースの扱いなどとても的を得ているものが多いのに感心します。

2015年10月2日金曜日

航空法改正に伴う施行規則の問題について

航空法の改正が平成 27 年9月 11 日に公布され、ラジコンも対象となり大きな影響があります。
国土交通省から無人航空機(ドローン・ラジコン等)の飛行ルールとして以下のウェブサイトが用意され、概要を確認できます。
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html

関連してその航空法改正の具体的な条件や数値にを決める施行規則案が出され、パブリックコメント、一般の意見の公募が行われています。電子政府e-Govとしてインターネットで確認できます。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155151218&Mode=3

いわゆるドローン対策ですがラジコンも区別されておらず同じ無人機扱いになり巻き込まれます。内容を確認の上、パブリックコメントへの反応をお勧めします。

200g以上の機体が規制の対象になります。事件を起こしたBebopドローンが400gでそれなりに長距離飛べてしまう機体なので、これを規制に含めるためにはこれくらいの値になってしまうのではないかと思います。(米国FAAでは超軽量機の例外は将来検討で、まだ無かったと思います。)

私の見たところ大きく以下の影響があります。

  • どこの場所でも最高高度が150mまでとなります。
  • 人口密集区域での飛行が禁止されます。
  • 日中のみの飛行となり夜間が禁止されます。
  • 人または物件から30mを保って飛行すること。

現在は最大高度は航空法で定義される進入表面等、航空路など(大雑把に書きます)にあたらない場所であれば250mまででしたが無条件に150m以上は禁止となります。
グライダー、大型スタント機のパターンなど合法的には飛ばせないことになります。
(米国FAAは実は120mまでで、ラジコン団体のAMAもそれ以上は飛ばすなといっているのですが、実際どのようにしているのかは不明です。)

人口密集区域は’国勢調査の結果による人口集中地区’と定義し、そこのでの飛行は禁止されます。具体的な地域は上で最初に紹介したページからのリンクで確認できますが、このスクリーンショットのようになります。河川敷を含めて赤の部分は飛行できません。公園での早朝飛行なども違法となってしまいます。


例外のためには許可を得るために申請を出す必要があるとなっています。その申請内容案も提示されています。業務ではない場合は最長で3ヶ月の許可しか下りないようです。飛行する操縦者無人航空機の特徴(写真、図面など)、飛行経路などの提出に加え、機体の性能・機能の要件も入ってきます。鋭利な突起物の無い構造であることや無人航空機を飛行させるものが燃料・バッテリーの状態を確認できることなど普通のラジコン機じゃだめだろう思われる条件も入っています。クラブや大会で申請を出すこともできるとは思いますが、大変そうです。

締め切りが2015年10月15日とすぐなのですが、コメントを送ろうかと考えています。航空法改正自体はもう施行されたので、だめといって止める段階では無く、パラメータの調整だけになりますが影響を減らすためには以下のような妥協しか思いつきません。

  • 最高高度は現状どおり進入表面、航空路の影響が無いところでは250mにする。
  • 人口密集区域は飛行禁止を、人口密集区域内であっても人または物件から30m以遠、上空以外は対象外とする。公園、河川敷などを想定しています。
航空法改正概要



2015年4月4日土曜日

小米 Xiaomi Yi Camera 入手

スマートフォンの販売ではあっという間に世界で3位になった中国 小米科技 Xiaomiが発売したSports Cam、Action Camです。4Kはサポートされていませんが、155度の広角レンズで1080p 60fpsまでの動画が撮影できるGoProタイプのカメラです。スペックとしてはGoPro Hero 4には劣りますがHero 3よりはよしということのようです。


サポートされる動画モードはこれだけ。H.264のmp4形式で記録されます。
  • 1080p@60fps、1080p@48fps、1080p@30fps、1080p@24fps
  • 960@60fps、960@48fps,
  • 720p@120fps、720p@60fps、720p@48fps
  • 480p@240fps
写真は最大16Mピクセルの4608X3456。タイマー撮影に加えて0.5sから60sまでのタイムラプス撮影や秒7枚までのバースト撮影もサポートされています。

動画の記録転送速度は1080p 60fps時で23-25Mbpsほどのようです。ハードウェアとしては最大30Mbpsとか。動画ファイルは2Gバイトごとに作られるようです。1080p 60fpsだと約10分で2Gバイトになるでしょうか。

中国の通販から$84.99で購入。DHL 配送費$8.85を足して数日で届きました。

プラスチックの外装で重量72g。GoProタイプの形ですが微妙に大きいので防水ケースなどは使えません。

近所の公園の桜を撮ってみたらこんな感じ。1080p 60fpsで撮影してそのままYouTubeにアップロードしてあります。柔らかい感じ、ちょっとピントが甘い感じもしますが。逆光の場所もつぶれていないので明暗には強そうです。



カメラ本体には何のディスプレイもありません。WIFI/Bluetoothを通じてスマートフォンに接続し、専用のアプリからコントロールする仕掛けです。撮影中も含めてファインダとして使えますし、撮影したものの表示、再生もできます。
アプリはAndroid 4.1以降用のものがリリースされており、iPhone用も準備中ということです。AndroidアプリはGoogle Playではなく直接APKをダウンロードしてインストールします。起動後に勝手にアップデートを見つけてアップグレードするようで、ver 1.3になっています。最初にインストールしたときはあちこち中国語のメッセージが出ますが、最終的に中のマニュアルやFAQも英語になります。
ちなみにカメラ側のファームウェアも、最初にアプリに接続したときにアップデートされました。アプリが新しいファームウェアがあるからアップグレードするかと尋ね、Yesを指示するとそのままインターネット経由でダウンロード、WIFI経由で更新されます。USBでPCにつないで専用アプリでとかが不要なのはとても便利。もちろんカメラ側の時刻なども勝手に設定されます。

*** 6/12 更新 ***
Android アプリケーションがGoogle Playに上がっており、バージョン1.7となっています。中国語ではなく、英語表示されます。Nexus 7 2012タブレットは非互換としてインストールできませんでした。
*** 6/15 更新 ***
ユーザ作成のPC/Mac/Linuxアプリも作られていますね。試していません。


下は撮影中の画面ですが、上半分がファインダとして1秒遅れほどでカメラに写るものが表示されます。カメラ、携帯本体の電池残や容量残が下に表示されています。
このアプリ無しでも撮影はできます。撮影モードをこのアプリで設定した後、カメラの電源を入れてカメラ上部のシャッターで撮影できます。カメラ単体でも動画と写真撮影の切り替えはできます。



アプリとカメラとの接続は慣れれば問題無さそうです。カメラの前面の大きな電源ボタンを短く押してONにし数秒待って完全に電源が入った後、横のWIFIボタンを短く押して2秒ほど待つとその青のLEDが点滅を始めるとWIFI通信待ちになります。その状態でYi Cameraアプリを起動して接続ボタンを押すとつながります。最初につなぐときにはカメラを探して選択し、パスワード設定などもできます。繋がらないときは繋がらない。スマホ側のWIFIをOFF、ONしたり、電源入れなおしたり。カメラ側も電源スイッチとシャッタースイッチを同時に2,3秒押すと簡単に工場出荷時にリセットされます。

スマホをファインダにしてというのは結構便利で、手を伸ばしてカメラを高い位置に持ちながら撮影というのも楽にできるわけです。

このカメラのパッケージはスマホのようなおしゃれかつ簡潔な作りです。基本中国国内向けの製品のようで、同梱のマニュアルなどはすべて中国語です。
本体にはmicro USB、micro HDMIポート、64GBまでのmicroSDカード(Class 10推奨)スロットがある以外はいくつかのLED以外は何のディスプレイもありません。
電池容量は1010mAhのものが付属します。満充電から1080p 30fpsでの撮影で最長85分持つと書いてあります。電池は容易に交換できます。(というかカメラが固まった時すぐにはずせます。)USBでの充電が速く、USBハブ~充電した際0.8A弱流れていました。90分で満充電とのこと。ファームウェアのアップデートでUSBポートからのAV出力もサポートされたようです。


このカメラはAmbarella A7LSというSoCにSonyのCMOSセンサーで作られているようです。誰でもGoProが作れるようになる、毎度のパターンですね。どのようなルートで出たのかわかりませんが、すでに最大の30Mbpsに設定した改造ファームウェアなんていうのも公開されています。

詳しいまとめはここあたりにあります。

さて、よいカメラのようなのはいいのですが、このサイズのジンバルも何も無し。用意しなくては。